説明
これは、まさに「裏」エチオ・ポップだ!?伝統音楽とエチオ・ポップの関係を暴いた問題作です!!
70年代のエチオピアの音楽はハーモニーが極めて個性的なためにやや前衛に聞こえるものですが、これは違う。エチオピアにしかない雰囲気と同時に、ルーツ音楽特有のとっつきやすさが特徴です。昔のR&Bが好きな方にも、案外アイルランドの伝統音楽が好きな方にもお薦めです。ーピーター・バラカン
エチオ・ポップとエチオピアの伝統音楽の関係にフォーカスした、エチオピーク・シリーズの中でもかなり刺激的な内容。フランスでは、その新鮮さゆえに『モダーン・エチオピアン・ミュージック』よりも売れ行きが良いそうです。
「伝統音楽」や「ルーツ」という言葉から地味な内容を想像してはいけません。エチオピアの伝統音楽は一筋縄ではいかないのです。さらにこの編集盤の面白いところは、そういった伝統音楽の要素が色濃く反映された曲を、アレマイユ・エシェテ、トラフン・ゲセセ、セイフー・ヨハネスなどエチオ・ポップの人気スターたちが歌っている点にあります。J-POPのスターたちが民謡や音頭を歌っていると想像して下さい。
最も顕著なのは様々な伝統楽器の使用です。曲によっては伝統曲をそのままモダン化してしまったと思われるアレンジなどもあり(かなりトランス感があります)、サウンドの多彩さに驚かされます。例えば、惜しくも昨年亡くなってしまった「エチオピアのアイドル」トラフン・ゲセセのセッションなどは伝統楽器のアンサンブルにピアノやマンドリン、そしてアコーディオンが加わったアクースティックな音で、ぐいぐいと引き込まれます。また『モダーン・エチオピアン・ミュージック』で強烈な印象を残したセイフー・ヨハネスは、完全な伝統楽器のアンサンブルをバックに語りかけるようなヴォーカルを披露していて、この曲などは是非砂漠のブルース・ファンにも聞いてもらいたいです。
1. アベベ・テセッマ/ゲブレ・グラチ・グテ
2. トラフン・ゲセセ/アグル・ネウ それは間違いだ
3. フレウ・ヘイルー/アルマズ・メン・エダ・ネウ アルマズ、なぜそれに拘るのか?
4. アベベ・ハイレ=ミカエル/コンディチエ 私の美しい人
5. ダムテウ・アイエレ/ウェフェ・イェララ
6. トラフン・ゲセセ/メグノット・エコ・ヘルム・ネウ 望みは夢のようなもの
7. アレマイユ・エシェテ/エンコイ・ナト・ヤベイ・ダール 彼女はナイル川のすももの実
8. ゲメチュウ・イタナ/ヤコレレ
9. エサトゥ・テセッマ/チェボ・アイモラム
10. ハイレ・ウェルク/ツェゲレダ・アベバ バラの花
11. トラフン・ゲセセ/フェケール・ベトワン・セルタ 愛が家を建てた
12. エサトゥ・テセッマ/アヤマルー・エシェテ
13. アベベ・テセッマ/アシャシャ・ベイェウ
14. アベイネー・デジェーネ/イェベレハ・ロミ 野生のレモン
15. トラフン・ゲセセ/カセニェシュ お好きなように
16. エサトゥ・テセッマ & セイフー・ヨハネス/フェケール・ベクメナ 生きた愛
17. ゲメチュウ・イタナ/シェメマリ・ティパ
18. エサトゥ・テセッマ/アベバイエネッシュ
19. トラフン・ゲセセ/ベズー・ギジエ・アレフェ 多くの時が流れた
20. ハイレ・ウェルク/イェボレナ・ガメ ボレナの英雄
21. アベイネ・デジェネ/バレンジェレ わが友
22. トラフン・ゲセセ/セラム・レウラチェン われらに平和が訪れるように