説明
マルチニックの黒い予言者。
これはマルチニックのワイクリフ・ジャン!?
ヒップ・ホップ、レゲエ、ソウル、ルーツ音楽をミックスした、
しなやかでアクースティックなレベル・ミュージック!
1968年マルチニックの主都フォール・ドゥ・フランス生まれ、11歳の時に両親とともにパリに移住。
そして20年間、プロデューサーとしてそしてミュージシャンとしてヒップ・ホップからヴァリエテ音楽を手がけてきた。2002年にはエレクトロ・ミュージックとカリビアン・ミュージックをミックしたダファタイガーズというバンドでアルバムを発売(ユニヴァーサル・フランス)クラブ・シーンで大きな成功をおさめている。
5年前家族とともにマルチニックに帰ってきた彼は、自らのルーツ、マルチニックの文化を育んできた様々な部分を再発見。彼自身にとってもそれは「革命的」な出来事だった。
そして少しずつ、まるでパズルのピースを捜すかのように曲を書きため、今回初のソロ・アルバムとなる『カリビアン革命』を昨年完成させた。
誇り高く、ボブ・マーリーの歌を引用しながらカリブの民衆に団結と解放を訴える「カリビアン革命」(1)、セクシャルかつディープなラヴ・ソング「ブラック・マジック・ウーマン」(4)、実際に彼のバイオグラフィーまで作成してリアルさも追求した「アブバカール 53%」は、淡々と、そして確信を持って歌われる。「2年後には他国とはいえ、黒人の大統領が現れて、本当にビックリしたよ。
アーティストが作り出すものは、時に時代の先読みをするものだけど、これもそのひとつだと思うよ。」と彼が自ら語るこの曲は必聴だ。(9)はフォール・ドゥ・フランスのスラム街とそこに暮らす隣のドミニカからやって来た娼婦の物語。切々としたファルセットが印象的な(12)は、夜砂浜で愛を確かめ合う恋人達に捧げられている。ミュージシャンは歌うことで人々を癒やす事が出来ると、自らのミュージシャン宣言とでもいうべき(13)。そして最後は1991年に亡くなった、マルチニックの伝説のミュージシャン、ユジェーヌ・モナの曲をカヴァーしている。
何と言っても印象的なのが、ファルセットを巧みに使いこなすヴィクトール・オーのしなやかで、力強いヴォーカルだ。そして自ら弾くアクースティック・ギターを中心としたアクースティックなアンサンブルの素晴らしさ! 現在彼はマラヴォワのライヴのオープニング・アクトを務めるなど、今最も注目すべきカリブ海のミュージシャンであることは間違いない。
1. カリビアン革命
2. ミ・ナッティ・ドレッド
3. ディム・キ・タン
4. ブラック・マジック・ウーマン
5. アブバカール 53% (ル・プレジダン)*
6. タン・ジャ・パッセ
7. ランム・デスペラード
8. テレ・サンビル
9. セ・ペシェ・アー
10. スクエ・サ
11. インスパイア・ミー
12. アイアン・ブ・フュ・マル
13. シャンテ・ア
14. マ・ママン・マ・ディ