説明
インド洋に浮かぶ世界遺産の島レユニオン。世界文化遺産にも登録されている”マロヤ”音楽を世界に伝える、ワロ−渾身のライヴ・アルバム。これこそがクレオール音楽だ!
★インド洋に浮かぶ小さな島、レユニオン。マダガスカルの約800キロ東にあるこの島には、様々な文化が溶け合った「クレオール文化」が人々のアイデンティティとして息づいている。17世紀半ばにフランスの植民地となったこの島には、アフリカ大陸から奴隷が連れて来られ、奴隷解放の後には労働力として南インドからたくさんの移民がやって来た。もともとの植民者だったヨーロッパの文化に、それらの文化混じり合い(人種的にも)、レユンオン独特のクレオール文化が生まれた。
★その象徴ともいえる島の伝統音楽が”マロヤ”だ。奴隷時代から演奏されて来たが、一時期は人々を扇動する音楽として、公の場で演奏することが禁じられていた。90年代になってようやく普通に演奏出来るようになったというから驚かされる。南インドのパーカッション音楽[1]や、ブラジルのビリンバウの異母兄弟楽器とされるボブの呪術的響き[4]をはじめ、マロヤに欠かすことの出来ない楽器カヤンブ(薄い箱状のマラカス)やルーレー(低音太鼓)から生み出されるポリリズムなグルーヴにまず圧倒される。そしてダニエルの粘っこくコクのあるヴォーカルから滲み出るブルース感覚。マロヤはダンス音楽であるとともに嘆きの音楽でもあることを実感出来る。
★生活に息づく音楽マロヤの素晴らしさはライヴでこそ体感出来る。パフォーマーとして圧倒的なダニエル・ワロー2012年のライヴ録音。これは全ての音楽ファンに聞いてもらいたいアルバムです!
★ダニエル・ワローはスタッフ・ベンダ・ビリリなども受賞した、ヨーロッパの権威ある音楽賞であるWOMEX AWARDS 2010を獲得しています。
■曲目
1. ポ・ムワン・ボンディエ
2. 飛行機
3. トロワマール
4. ヴェリ
5. アラン
6. カドック
7. アデカロム
8. バタルシテ
9. 夢
[ダニエル・ワロー]
1955年にレユニオンの南西部の内陸の街タンポンに生まれる。18歳の時に畑作業をしていた時に、初めてマロヤの音楽を聞く(ワークソングとして)。70年代後半から本格的にマロヤの演奏を始め、様々な弾圧を受けながらも(本人も逮捕歴があるという)常にマロヤを演奏するミュージシャンとして第一線に立ち続けた。1987年にデビューカセットを発売。90年には来日もしている。打楽器奏者として圧倒的な力量、そして憂いを帯びたヴォーカルは聴く人の心を打つ。本職は楽器職人。