説明
ギター奏者、杉本拓の近年は、作曲家として国内外の演奏家に曲を提供する一
方、即興演奏家としても積極的に活動している。現代音楽のヴァンデルヴァイ
ザー派周辺の作曲家や演奏家と頻繁に交流し、海外に出かけて演奏することも多
い。5人の日本人演奏家からなる Suidobashi Chamber Ensemble のメンバーでも
ある。
杉本拓にとって、Meenna レーベルからは、2015年発売の『Septet』以来となる
リリース作品。本CDには、彼が2017年に作曲した「Quintet」をドイツ、ベルリ
ンと米国、サンディエゴで録音した、ふたつのヴァージョン(どちらも約30分)
を収録。曲はフルート、クラリネット2本、ヴァイオリン、チェロの5人で演奏。
1曲目のベルリン・ヴァージョンは、2017年8月6日のライヴ演奏。一方、2曲目の
サンディエゴ・ヴァージョンは、2017年3月15日スタジオ録音。オーストラリア
のクラリネット奏者、サミュエル・ダンスコム (Samuel Dunscombe) と同じクラ
リネット奏者の小川道子が両方の演奏に参加。ほかの演奏者は、ベルリンが
Rebecca Lane (フルート)、Johnny Chang (ヴァイオリン)、Lucy Railton (チェ
ロ) 、サンディエゴが Michael Matsuno (フルート)、Erik Carlson (ヴァイオ
リン)、Judith Hamann (チェロ)。杉本は作曲のみで、演奏には参加していな
い。しばしば重なり合い干渉し合う管楽器のロング・トーンと、さりげなく放た
れる弦をはじく短音が終始続き、シンプルな構成美と静謐な響きが全体を貫く名
曲にして名演。
収録曲:
1. Quintet (2017) – Berlin, 2017.08.06 (30:42)
2. Quintet (2017) – San Diego, 2017.03.15 (29:02)