説明
女流義太夫の三味線奏者である田中悠美子は、伝統音楽分野での活動に止まらず、1990年代から現代音楽、即興音楽(田中は1996~7年、大友良英のバンド、Ground-Zeroのメンバーだった)、実験音楽、シアター作品での演奏・作曲など多方面での音楽活動を続け、国内外の数多くの音楽家と共演・交流を繰り広げてきた。
日本の即興・実験音楽シーンを代表する演奏家のひとりとも言える田中だが、なぜかソロ名義のリリースは2004年リリースのCD作品『たゆたうた』(ImprovisedMusic from Japan) と2017年リリースのDVD作品『Music Performance』(Meenna)の2作品しかない。その唯一のソロCDで名盤の誉れ高い『たゆたうた』が、リリースから19年後の2023年、新たにマスタリングを施して格段に聴きやすくなり、さらにデザインも一新し遂に復刻。
義太夫三味線を使用しながら義太夫三味線の本来の奏法から大胆に逸脱した、完全即興演奏10曲を収録。爪弾き、弓弾きやプリペアドなどの様々な試みを伴い、演奏は淡々と進む。しかし、全体として彼女の音楽性に裏打ちされた統一感に満ち、極めて良質な即興音楽作品に仕上がっている。
■収録曲
1. 古池や Furuike ya (5:46)
2. 風が遠くで Kaze ga Toku de (7:11)
3. 雨やどり Amayadori (13:29)
4. ゆき Yuki (8:33)
5. 地霊 Chirei (3:42)
6. 流転 Ruten (8:43)
7. 山の端 Yamanoha (5:27)
8. おとづれ Otozure (1:18)
9. たゆた Tayuta (10:52)
10. The Gateway (0:45)
収録時間:65分50秒