説明
「架空の音楽的伝統様式」 (ワイヤー, 英国音楽誌)
国内外のユニークな音楽をリリースするアモルフォンからの第12作目。カナダ、オンタリオの創作楽器奏者/作曲家、Ryan WaldronによるTalugung (タルグング)名義での作品。非平均律でチューニングされた弦やピンを様々な方法で共鳴体に組込み演奏、ピッチコントロール等で作品を仕上げる。民族音楽的な響きとミニマル・ミュージックの響きの両方を併せ持つ、あるいはその中間の狭い領域で独自の音響美構築に成功している。ハリー・パーチ、ラ・モンテ・ヤング、あるいは演奏をテーマとしないテープ編集のミュージック・コンクレート、またはジョン・ハッセルの第四世界のコンセプトとも異なる、つかみ所のない音楽。それは、Waldronが表現している「中間性」のためであろう。「民族音楽」と「ミニマルミュージック」の中間、現象としての「音」と意図的に組織化された「音楽」の中間といったように、何かと何かの中間にある。ベーシックはミニマルだが、聞き慣れた平均律化された楽器を使わず、Waldron自身が作り出す独自楽器を使うことによって、世界で唯一無二のサウンドに仕上がっている。本作「Anura」は、カエルの鳴き声にインスパイアされて作られた。
【曲目】
1. Creekside Corroded Iron Band
2. Manifest Futures
3. Rain on Giant Lenses
4. Undersea Shadow Enemy
5. Low Temperatures
6. Painted Bowls
7. Nervous System
8. Currents
9. Zinc Drop Multiplication
10. Rolling Shoes
11. Falling Sawdust
(TOTAL 39:11)