説明
台湾原住民たちが、日本の近現代史の矛盾を討つ!
DVD 出草之歌 台湾原住民の吶喊 背山一戦
企画・制作/NDU 日本ドキュメンタリストユニオン
撮影・編集/井上修
2006年新編集版
ビデオ・ワイド・112分
CD 祖霊的楽章 祖霊之邦
飛魚雲豹音楽工団
1.出草
2.懐念祖先
3.頌讃歌
4.大地吟唱
5.依呀伊
6.冬祭
7.生命之歌
8.来甦
9.凱旋歌
10.タイヤル古訓
11.戦歌
1-6「十字路口」より
7-11「生命之歌」より
「出草之歌 台湾原住民の吶喊 背山一戦」について
井上修(撮影・編集)
1972年、宮古、八重山、西表、与那国そして国境を越えて台湾までを生活圏としていた人々を扱った「アジアはひとつ」という記録映画を一味同心で製作した。「反帝亡国 国境突破」というスローガンそして、「海ゆかば」をバックに台湾「高砂族」たちの「もう一度戦争がしたい」という言葉で終わる「バチ当り」なものだった。30年を経た2002年の夏、靖国神社で再び彼らに遭遇した。
彼らはこともあろうにあの「神聖」な靖国神社の境内で自らの伝統的な歌と踊りで靖国神社に対する抗議活動を展開していたのだ。
この「バチ当り」はきっと只者じゃないと直感した。そしてインターネットから決定的なフレーズを探し当てた。「首を刈る部族は歌がうまい」故小泉文夫氏の講演記録からだ。音楽ドキュメンタリービデオ「出草の歌_台湾原住民族の吶喊-背山一戦 」がスタートし再び訪れた台湾。
かつての山地同胞、高砂族は、自ら誇りを持って「原住民」と呼ぶことに驚かされた。さらに中国系の人たちをなんと「漢族」と呼び、少数民族として極めて原則的な戦いを展開している、32年前の彼らの言葉「もう一度戦争がしたい」というのはこれなのだ、
—ドキュメンタリーは予見である—
と言ったのはルポライターの故竹中労だ。正にあの言葉は原住民たちの予見だったのに違いないと気づいた。
文字を持たなかった故、生活そのものであるといえる歌と踊りを武器に、山を背にして一戦に挑む台湾原住民たち、次なる予見ははたしてなんなのだ....
(山形国際ドキュメンタリー映画祭2005・特集カタログより転載)
音楽ドキュメンタリー
出草之歌 台湾原住民の吶喊 背山一戦
彼女たちの鮮烈な抗議を前に、私たちは自分たちのアイデンティティと信じていたものが、底をさらわれるのを知る。
広河隆一 (フォトジャーナリスト DaysJapan編集長)
今日の日本の状況へのするどい問いを孕んでいる上に、とてもスゴイ映画の登場に興奮しています。
土本典昭 (記録映画作家)
プロファイル 台湾原住民
【チワス・アリ (中国語名=高金素梅)】
1965年、台湾省台中県出身。タイヤル族。女優、歌手として活躍後、肝臓ガンの闘病生活を経て2001年、第五期立法委員選挙で女性初の山地原住民委員(無所属)に当選。
2004年、再選を果たした。2002年8月以来、靖国神社に対して台湾原住民「高砂義勇隊」戦死者の「合祀」取り下げを要求して何度となく来日。昨年9月には、「大阪台湾靖国訴訟」原告団長として小泉首相の靖国参拝「違憲」の判決を勝ち取った。
本作品の激しく美しいヒロインである。
【飛魚雲豹音楽工団】
1999年、台湾大地震で多大の被害を受けた原住民部落は政府の復興計画から取り残された。その被災部落の救援のため組織されたボランティア団体、「原住民族部落工作隊」が母体となり「飛魚雲豹音楽工団」が誕生した。地震で消沈している多くの原住民たちの意識を高めようという目的でコンサートを開催。以来、コンサート活動やCD製作を継続して行い、その収益は原住民族運動に還元活用されている。