説明
カリブ海〜大西洋〜インド洋の島々で育まれた、
極上の最新クレオール・ミュージック。
植民地、奴隷貿易、プランテーション…哀しい島の歴史が
刻み込まれた音楽に宿るパッションとリリシズム。
ソフト&メロウ&アクースティックな音楽は要チェック!
まさにクレオール・コンテンポラリー・ミュージックなのです。
カリブ海やインド洋のクレオール・ミュージックがこんな面白いことになっているとは!!
オルターポップではトグナやティパリといったクレオールのグループを紹介してきたが、この編集盤の登場で一気にこれらの島々の新世代ミュージシャンに注目が集まるに違いない。キーワードとしては、アクースティックそしてメロウという言葉を挙げたい。カリブ海のマルチニックやグアドループ、大西洋のカボ・ヴェルデ、インド洋のレユニオンといった島々はいずれもヨーロッパの植民地となり、サトウキビなどの大規模プランテーションの労働力として、アフリカから大量の奴隷が連れてこられた。
ヨーロッパとアフリカの文化があじりあったクレオール文化には、太陽の様な明るさと、どこか憂いを感じさせる。オシャレにメロウなのだ。そんなクレオール音楽の新世代アーティストをギュッと集めたのがこの編集盤。
グアドループ出身のソフト(1)(8)は、その名の通りアクースティックでソフトなサウンドで人気爆発中の4人組。グアドループ出身のカクースティック(2)(12)は、グアドループの伝統打楽器音楽グウォカをベースにしたメロウなパーカッシヴ・サウンドはユニーク。レユニオン出身のダヴィー・シカール(3)(14)は、昨年末来日したトグナのメンバーも気に入っているシンガー・ソングライター。島の伝統音楽であるマロヤを洗練させたその憂いに満ちたスタイルは一度聴いたら忘れられない。
ヴィクトール・オー(4)(9)は、マルチニック出身でベーシストとして長いスタジオミュージシャンとしての経歴を持つ。今年発売された待望の初アルバムには、ポリティカルな曲からラヴ・ソングまで、マルチニックのワイクリフ・ジャンとでも呼びたいスピリットとパッションに彩られた曲が並んでいる(彼のアルバム『レヴォリュシオン・カリベアーナ』は、オルターポップで発売する予定)。
グアドループ出身のエリック(5)(10)は23歳で、クレオール・ソウルとでも呼びたい独自のサウンドを聴かせる。(5)にはスティール・ドラムが全面的にフィーチャーされている。同じくグアドループ出身の女性歌手イネス(6)(15)は、フレンチ・カリブのローリン・ヒルとでも呼びたいオーガニックなヴォーカルを聴かせてくれる。ハイチ出身のベロ(7)(13)は、レゲエなども取り入れた力強いヴォーカルとメッセージが魅力的なシンガー・ソングライターだ。
カボ・ヴェルデ出身の両親を持ち、ポルトガルで生まれたサラ・タヴァレス(11)は、デビュー作が日本でも発売されている注目の女性歌手。マダガスカル、コモロ、アフリカン・アメリカン、ブルターニュなどにルーツを持ちマルチニックで育ったマイク・イブライム(16)はソウルフルなヴォーカルが印象的。アルバムの最後を飾るのは、ソフトのリーダーのフレッド・デシャイエが関わっているグアドループのグウォカの歌い手エリック・コザック。素朴な節回しとエレクトロニクス化された伝統的リズムが面白い。
■曲目
1. ソフト / デデ
2. カクースティック / アジヤ
3. ダヴィー・シカール / 我らが父たちの名において
4. ヴィクトール・オー / アブバカール 53 %
5. エリック / シャルロ
6. イネス / シ・ジェニエン・ソレイ
7. ベロ / デブロゼ
8. ソフト / ランムー・オ・ピヤージ
9. ヴィクトール・オー / ディム・キ・タン
10. エリック / オン・ベル・ジューネ
11. サラ・タヴァレス / バランセ
12. カクースティック /クレ・ア・ティティン
13. ベロ / ラクー・トランキル
14. ダヴィー・シカール / マロヤ・カボセ
15. イネス / トゥート・ラ・ジューネ
16. マイク・イブライム / ニナローズ
17. エリック・コザック / ジェネラシオン
★2009年に発売されたアルバムの廉価盤再発となります。