マリカミズキ/MARICAMIZKI
キュラムン島/kyuramunjima

¥2,640 (税込)

在庫あり

商品コード: JAB-48 カテゴリー:

説明

奄美~南海に浮かぶ唄と踊りの不思議島。「キュラムン島」

奄美大島のキュラムン(美人)ユニット⇒マリカミズキ

7年ぶりのオリジナル・アルバム登場。今回、初めて積極的に三線を使用した意欲作。

■今回、初めて積極的に三線を使用した意欲作。

 これまでマリカミズキは意図的に奄美シマ唄の伴奏楽器である三線を避けてきました。(バリ島レコーディングの『シマウタブンブン』で部分的に三線を使用) それは奄美のシマ唄に自由な色彩感を与えるための手段でした。

ご存知のように奄美における三線は沖縄から入ってきたものです。しかし使用するバチの素材や弦の太さ、奏法などが奄美風に変化し、陰影の濃い音色となってシマ唄と一体化しています。つまり奄美シマ唄は、三線が奏でるモノトーン的な響きを背景にして長きにわたって
歌われてきました。その三線を排除することで、奄美シマ唄が本来的に秘めているかもしれない自由度を広げてみよう。

それがマリカミズキのコンセプトでした。そこでマリカミズキは、まず唄だけを純粋に抽出し、アカペラ状態になったシマ唄に洋楽器を自然な形で添えていくことで、奄美シマ唄とその歌詞世界に新しい解釈を加えてきました。その成功例として評価されたのが前作『ルミネッサンス』でした。

一方で三線は奄美のシマ唄に無くてはならぬ重要な弦楽器。奄美の人々は三線の音色を聞いただけで心の奥底を掻き立てられる、それほどの楽器と位置づけることができます。この不可欠な楽器を中軸にして強いルーツ性を打ち出し、なおかつ刺激的なアンサンブルを構成する・・・・・・これが今回の新作のテーマでした。レコーディングは奄美大島のログハウスを借り切って1週間ほど行われ、本作『キュラムン島』が完成しました。キュラムンとは奄美の方言で美人のこと。キュラムンの島。それは奄美大島という意味も込めて・・・

■収録曲

1. 雨ぐるみ Amagurumi 2:48

2. 上がれ日ぬはる加那 Agarehinu Harukana 3:17

3. 糸繰り節 Itokuri Bushi 4:16

4. 渡しゃ Watasha 4:18

5. 手まり唄 Temariuta 1:18

6. 花染 Hanazome 2:23

7. グイク間切 Guikumagiri 2:52

8. 稲摺り節 Inisuri Bushi 3:28

9. 一切朝花~豊年節 Chukkyari Asabana – Hounen Bushi 3:30

10. イェトゥ Yetwo 5:51

11. 雨ぐるみ(インストルメンタル) Amagurumi 2:19

■マリカミズキ・プロフィール
 
奄美大島北部のシマ唄教室「わらべシマ唄倶楽部」でコンビを組んでいた中村瑞希と吉原まりかの2人によって2001年に結成されたユニット。

2002年、ミニ・アルバム『ソングフルーツ』をリリース。同年8月、インドネシア・バリ島に渡って地元のジョゲッ・ブンブン(竹ガムラン)グループとコラボレーションを行い、ミニ・アルバム『シマウタブンブン』を制作リリース。2004年には洋楽器を大胆に導入したシマ唄アルバム『ルミネッサンス』をリリースして国内だけでなく、海外メディアからも高い評価を受けた。本作『キュラムン島』は6年ぶり、2作目のフル・アルバム。中村瑞希は平成15年度の第24回「奄美民謡大賞」大会で最高賞の大賞を受賞。

平成17年度の民謡民舞全国大会(日本民謡協会主催)で「やちゃ坊節」を歌って第1位を獲得、民謡日本一の座に輝いている。

また翌年に開催された日本民謡フェスティバルでも優勝を果たし、民謡グランド・チャンピオンに輝いた。ソロ・アルバムに『アイランド・ガール』『うたの果実』『カフ』がある。また吉原まりかは平成16年度の第25回「奄美民謡大賞」大会で新人賞を受賞。

平成21年度の民謡民舞全国大会で「いまぬ風雲」を歌って青年部で第3位を獲得している。ソロ・アルバムに『カナ』がある。

■マリカミズキはフリースタイル。アカペラ、ロック、ジャズ・・・何でもありを実践する。

 レコーディングでマリカミズキの2人(吉原まりか・中村瑞希)をサポートするのは河西堅(ギター、ウクレレ、マンドリン)、森俊也(ベース、ギター)、高田正則(パーカッション)の3人。録音曲目が決まると、まずマリカミズキの2人が唄と三線をいつもどおりに演奏します。

民謡では珍しいことではありませんが、奄美シマ唄の場合も歌詞の長さによって1コーラスと2コーラスの長さが微妙に異なることがあり、今回はその微妙な違いまで打ち出すことにしたからです。次にシマ唄にラフな形でギター、パーカッション、ベースを加えていき、
アンサンブルがほぼ決まったところで“引き算”に入ってコアな音だけにしていく手法を取りました。

アレンジのアイデアはリハーサルを通してメンバーそれぞれから自然に出てくる形。重厚なロック風の曲あり、ジャズを思わせるフォービート風の曲あり、アカペラで歌われる「手まり唄」ありと、そのスタイルはフリーで多彩を極めています。

■初レコーディング曲の「手まり唄」「グイク間切」が話題。

 収録曲はほぼ全曲が奄美大島北部の笠利地方に伝わるシマ唄。

地元ではカサン(笠利)唄といいます。その中でも珍しい「手まり唄」は、これが史上初録音。今ではまりをついて遊ぶ光景はなくなり、まりつき唄も途絶えてしまいましたが、かつての奄美では集落ごとに異なる歌詞で手まり唄が歌われていたといわれています。

また遊び歌の「グイク間切」も初録音と思われます。この曲は沖縄本島で歌われている「越来節」がなんらかの理由で沖縄から奄美大島北部に流れ着いたもの。沖縄の「越来節」を知る人は、海を渡って奄美風に変化したこの曲の変貌ぶりに驚きを禁じえないはず。

■曲目紹介

1.雨ぐるみ 

♪屋仁(やん)の蒲生崎(がもうざき)に雨を降らせる雲がかかっている。あれは雨雲ではない。私の愛しい人が流す涙だ。

中村瑞希の強い歌声が印象的なカサン唄。三線、ウクレレ、ギターのアンサンブルは控えめに、歌声を包み込むように・・・。

2.上がれ日ぬはる加那

♪夕飯を食べて外に出ると、月はそこに出ているのに、私の恋人は、ねえ、いつになったらやってくるの・・・。

吉原まりかが歌うシマ唄ラブソング。三線とフレームドラムのイントロで始まり、歌中はベースとギターがラテン風のノリを醸し出すという不思議な流れを展開。

3.糸繰り節

♪心配だ、心配だ、糸繰り仕事。糸が切れたら結ぶことは出来るが、人の縁が切れたら結ぶことはできない・・・。

奄美シマ唄の定番を中村瑞希と吉原まりかが順番に歌います。瑞希が奏でる三線とフレームドラム、ウッドベース、ギター、マンドリンは意外なほど相性がいい。

4.渡しゃ

♪喜界島は六間切り、奄美大島は七間切り。徳之島、沖永良部島、与論島は那覇の内。舟を走らせて美しいのは喜界島の小野津岬。

馬を走らせて美しいのは喜界島は早町の塩道長浜だ。

表題の「渡しゃ」とは渡し舟を漕ぐ人のこと。舟漕ぎ歌だったものが遊び唄になって今に伝わっている。

5.手まり唄

♪きんきんいどぅくやどぅーく こーしゅくどぅりくゎぬ はねくゎばひろげてぃ いんこんこんにんこんこんさんこんこん いしくくにくくぬ くむりゅりくゎー しょーちいんぐりまんぐりさんむ うりきりののくわぁば むぇーなんちぇけちぇけ 

くしなんちぇけちぇけ はぼかなまんじょかなどぅっくりくゎーなのーしちすいすい なはぬぞれくゎぬ くわぁくわぁなしこしゃれてぃ 

あさばんゆうばん くらしぬましゅんにゃよめじゅ なかもりちんちゃんぷんちゃん あめやどしゃぶり みやがさかぶてぃ うちほんまくわぁに 

にぎくぁばのまし くわぁくわぁなし せめたろがせめたろが やくみややくみや だしもちもーしもし わじゅややまとかち しあいしに たかちぢなん がんたてろがんたてろ

6.花染

♪人は花に例えれば匂い、つまり心が大切。枝振りなど見栄えで決まるものではない。
唄は吉原まりか。三線は中村瑞希。カサン唄の代表曲。

ストレートな奄美シマ唄にギター、ベース、パーカッションを控えめに施したアンサンブル。パーカッションのみ低音域を強調して不思議な空気感を・・・。

7.グイク間切

♪グイク間切りであったことだよ。書記(文子=テクグ)のフサトがやったことよ・・・。

笠利では宴席が盛り上がると小皿を2枚づつ両手に持ってカスタネットのように鳴らしながら歌うこともあるとか。そんな雰囲気を出してみました。

8.稲摺り節

♪頑張って摺れ摺れ女たち、摺れば米一升あげるぞ、千石の米も摺れば減っていくよ・・・。

本来は稲摺り作業のときに歌われた作業唄。

シマ唄として歌われるとだいぶ洗練され、三線のリズムがフォービート的なノリとも合うことを発見、ベースとパーカッションを思い切りそれ風にしてみました。

9.一切朝花~豊年節

♪この場のお客様、御免くださりませ、この場のお客様。油断するな羽根黒魚(シイラ)、烏賊の生餌だよ、油断するな、羽根黒魚・・・。

シマ唄をメドレーにして長いヴァージョンの演奏を楽しもうという目論見を試してみた。

途中に管楽器のソロを入れたらジャズ的な作品になるかもしれない。唄遊びの最後の方で歌われる「一切朝花」と「豊年節」をメドレーにして、その雛形を作ってみた。

レーベル

ジャバラ・レコード