初音家賢次
旅立て俊徳丸

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説明

名人と謳われた初音家賢次(はつねやけんじ)の50年前の録音が2010年のダンスミュージック・シーンに出現!quasimodeのmatzzこと松岡隆廣のクラブ・ミックス[4曲目]、そして速水直樹のダブ・ヴァージョンも収録[5曲目]!

1. 旅立て俊徳丸

2. 旅立て俊徳丸ラヂオ用短尺模乃音

3. 旅立て俊徳丸原録音

4. 旅立て俊徳丸過熱系宮裸舞仕様

5. 旅立て俊徳丸冷や醒まし惰撫

平成10年7月24日、大阪市平野区平野東二丁目の通称「松山公園」内に、初音家の功績を記した顕彰碑が建立された。それと前後して制作されたCD『甦る!伝説の名調子』(非売品。三交社刊) に、本作品で使用した初音家賢次「俊徳丸」の原録音は収められている。
「昭和34年か5年、大阪府八尾市恩智の、櫓ではなく座敷での録音」としか周辺事実は分からない。初音家びいきのオーディオ 愛好家が、私物の業務用テープレコーダーで録ったものだろうという話だ。録音はかなり良い状態で保存されており、後半かすかに三味線らしき音が聞こえるが、殆ど太鼓と囃子だけの伴奏で30分以上も続く。太三郎が形づくった見事な台本構成と詞(ことば)に、自身の技を巧みにすべり込ませた賢次の節は正に圧巻だ。速度と調性には驚異的な正確さが保たれ、破綻がない。更には狂気すら感じさ せる程の刺激的なビートを、音韻によって次々と叩き出しながら河内の伝承説話を語っていく。「あくまで河内音頭は一にリズム、二にリズム、三にリズムです」と四代目秀若が説く通り、これが初音節の真骨頂、河内音頭の醍醐味だ。本作品の制作に当たっては同期手法を採らず、追加演奏は音頭に合わせて通して行った。原録音は50年以上を隔てた西暦2010年のリズム感覚を、今も引っ張っているのだ(4番トラックのみデジタル・データの切り貼りがある)。なお『甦る!伝説の名調子』は現在、市販化計画が進行中である事もお伝えしておこう。

初音家は河内音頭の創成期から、昭和30年代半ばの全国的な河内音頭ブーム期に至るまで、音頭界の頂点に君臨した宗家だ。大正後期、大阪市平野郷(現在の平野区)にあった浪花節の定席「明進亭」で頭角を現した倉山太三郎が、昭和初頭に太三郎(当時「太丸」)、栄太郎、佐市、寅丸、宇氏丸からなる「五人衆」の総称として「初音家」を名乗ったのが始まりとされる。太三郎の才能と情 熱は、この音楽が共通する基本的な形を整え、河内一帯に浸透するまでの状況を導いた。初音家も第 二次世界大戦後は音頭界を支配する圧倒的存在として、現在の「百派千人」と言われる各河内音頭会派の源流となる。今も四代目会長秀若の下、各支部に多くの会員を抱える大組織として河内音頭を支 えている。初音家賢次は昭和20年に入門。天賦の音頭力に磨きをかけ、短期間で弟子の筆頭格に昇り小太三丸を襲名、25年に河内音頭宗家初音家二代目となる。39年には「賢次」と改名。松竹を始めとするいくつかの芸能社に所属、プロの音頭取りとして活動した。初音家連合会会長、初音家賢次会主宰を務め、平成9年大阪府文化功労賞に輝く。鋭い切れ味と深く渋い情感を併せ持った音頭、人間性で高い人気を持ち続けた。平成12年2月28日69歳で没。昭和28年マーキュリーから「小太三丸のテーマソング」を発表して以来、ビクター、キング、ローオンなどに多くの作品を残している。

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レーベル

歌舞音曲