イニアテュス
ありがたき偶然

¥2,750 (税込)

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説明

このイニアテュスのCDはちょっと置き場所を変えて、ブリジット・フォンテーヌやロバート・ワイアットの隣に置いてみたい。
イニアテュスことジェローム・ルッソーは,オリヴィエ・リボーとのデュオのバンド,レ・ゾブジェで2枚メジャーレーベルからアルバムを発表したのち,ソロになって自分のレーベル「イニアチューブ」から3枚のアルバムを出し,これが4年ぶりの4枚目のソロアルバムになる。このアルバムには前作までのイニアテュスのようなおどけてはしゃいでいる曲はない。奇を衒ったものもない。密室のようなスタジオワークではなく,風通しの良い部屋で幾人かの古い友だちがお茶をすすりながら楽器や声で参加しているような,いつになく開放的な雰囲気だ。その友人たちとはクラリネットとサックスのミッシェル・シック,コンゴのグリオであるマクアヤ夫妻,電波音や宇宙音の音楽家ニコラ・ロッソン,ベンズ・シンフォニック・オーケストラのブノワ・ローなどである。

ゆったりとシンプルな新イニアテュスの世界がアルバムリリース前に多くの人たちに愛されることになったのは,ユーチューブで公開された2曲め「草の中に」のヴィデオ・クリップのおかげである。独創的なアニメ作家オリヴィエ・マルタン制作のアニメーション・クリップは公開2週間で15万人のヴィジターを呼び,6月のアヌシー国際アニメ映画祭,7月のソウル国際カートゥーン&アニメ祭にコンペ作品として招待されることになった。

「草の中に」は田舎の老父母のところにやってきた都会暮らしの男が、忘れかけていた自然の中にある幸福を、草むらに立ち小便をすることで思い出し、太古の血が蘇るようなセンセーションを感じる歌である。言うまでもなく、立ち小便には道具が要るのであり、その「お道具」を天から授かったことは「偶然」でしかなく、その偶然をしみじみ感謝したい、というのがこのアルバムタイトル『ありがたき偶然』なのである。

自己を防衛するにはある種の暴力を肯定する時代に入ったことを嘆く歌(1)。バンジョーやマンドリンやハーモニカといった緑色系(ブルーグラスと言おうか)の楽器と牧歌的なユニゾンコーラスで歌ってしまう歌(3)。ゲンズブール作「アナムール」にインスパイアされたという(4)。ボビー・ラポワント風なパーカッシヴな語呂合わせ歌詞に、フェラ・クティあるいはエチオピア風なサックスと、コンゴのマクアヤ夫妻のサンザが刺激的なハーモニーを生み出している(5)。恋の終わりのシニカルな詞を、ブルージー&ツィガーヌなサーカスジンタ3拍子の楽隊のバッキングで料理した(6)。印象派的な多重録音フルートのハーモニーが美しい(7)。恋人との待合せの長い待ち時間に、時と共に見捨てられた老将軍とその時代に想いをめぐらせているうちに、雨が降って来る。サンプルされた多数の鐘の音が妙に悲しい(8)。愛すべき愚かなわれわれを描き出す(9)。政治家の見え見えの黒い所業に対する嘲りが込められた(10)。「ジャック・シラクに捧げる」という特記あり。そしてアルバムを閉じる(11)は、ジェロームのピアノ・イムプロヴィゼーションに、コンゴのグリオ夫婦、アムール&クリスチアン・マクアヤの口笛とピグミー・ヴォイスが加わる、平静な密林アンビエンス。(解説より抜粋)

1. モナムール
2. 草の中に
3. 太陽は歌う
4. 重く重く
5. ク・チュ・ディ
6. 今宵
7. パ・ケスチオン(問題外)
8. アルフォンス・シェナル
9. 人間たち
10. 大臣たちの腹
11. やさしい計算

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