説明
2017年11月のある朝、Trio MATHEMATA のメンバー3名で、妙心寺退蔵院の庭へお邪魔しました。
400年ほど前からある悠久の変わらぬ緑の庭と、四季折々で表情を変える実に美しい庭があり、
この日は紅葉が満開で、朝からとても静謐で美しい景観をひっそりと魅せてくれました。
「退蔵院の四季折々の光景をまとめた動画につける音楽を…」と依頼を受け、3名各々が、
この日受けたインスピレーションや動画の映像をもとに、退蔵院妙心寺から聴こえてきた音を
紡いで生まれたのが、本アルバムの収録曲です。
動画にあわせて作ったため、3分・1分等短いバージョンが主ですが、その分、丁寧に私たちの
印象を音に紡ぎ、じっくりレコーディングしました。
ぜひ、退蔵院を訪れ、その景色を思い浮かべながら、音を聴いてみて下さい。
■曲目:
1. 千古不易 千変万化
2. Polytemple
3. 水落つる庭
4. 千古不易 千変万化
5. 生命の四季
6. 音雨香
7. 暖かな樹々
8. 千古不易 気吹き
9. 音雨香
10. 生命の四季
【Trio MATHEMATA トリオマセマータ】
本バンドは、音楽×数学×教育の3軸で活動する中島さち子をリーダーとするバンドで、
2017年7月鈴木広志(サックス)、相川瞳(パーカッション)と共に結成された。
中島は、1996年国際数学オリンピックで金メダルを獲得し東京大学では数学を学ぶが、
一方でジャズに出会い、卒業後、ピアニスト故本田竹広氏を師として音楽の道へ。
2005年には渋さ知らズオーケストラでキーボード奏者としてロシア・欧州ツアーに参加し、
メールズフェスティバルを始めとする世界の大きな音楽祭に出演。
リーダーアルバムにはピアノトリオ ”Rejoice”(生沼邦夫bassつのだ健drums)、
“希望の花”(米木康志bass本田珠也drums)他。著書には『人生を変える「数学」そして
「音楽」』(講談社)、絵本『タイショウ星人のふしぎな絵』(文研出版)など。
近年は、数学×音楽など異分野横断型の講演・ワークショップも多くなり、昨年より、
Trio MATHEMATA としても日本全国の学校や地域に数学×音楽公演に出向くようになった。
鈴木・相川は東京芸術大学を卒業し”チャンチキトルネエド”のメンバーとして国内外の
コンサートや芸術祭、テレビやCMに出演。チャンチキトルネエド活動休止後は、社会現象
にもなったNHK連続テレビ小説「あまちゃん」(音楽/大友良英)、日テレ水曜ドラマ
「過保護のカホコ」(音楽/平井真美子)のテーマ曲/サウンドトラックでも演奏。
また、2018年の八ヶ岳音楽堂 「小野リサ ボサノバ・ライブ2」では、それぞれがゲストとして出演した。
他、絵画や詩とのコラボレーションや伝統楽器との共演など、ジャンルを超えて活躍している。
2018年9月には講談社より、中島や Trio MATHEMATA による数学×音楽公演活動をまとめた
CD付きの本『音楽から聴こえる数学』(中島さち子著、演奏:Trio MATHEMATA、出版:講談社、
協力:東京ガーデンテラス)を出版する。音楽の中に潜む数学を視覚や聴覚や言葉、感性を通じて伝える。
本バンドは、数学に限らずさまざまな世界と音楽とのコラボレーションにも挑戦しており、
本アルバムは「妙心寺退蔵院の風景×音楽」の作品と言える。
なお、バンド名は、西洋で昔「代数学・音楽・幾何学・天文学」がまとめて教えられていた頃の
学科を MATHEMATA ということに因んで名づけられた。
耳には聴こえない宇宙の音楽(ムジカ・ムンダーナ)を含め、音楽・数学・宇宙が融合する世界を示唆している。」