説明
仲野麻紀とヤン・ピタールによるユニットKy[キィ]。彼らが探る、即興を軸にした音の旅は、現代と伝統の間に。
2009年アフリカラーフェスティバルにて、ブルキナファソの伝統楽器バラフォン奏者、ムッサ・ヘマと共演した 仲野麻紀は、そのより深い音を探るべく現地バンフォラに赴き、相互の持っている音を共有する「歩み寄り」という方法で、Bala Deeを発起。
2010年3月、パリ郊外の街Guyancourtから、アーティストレジデンスとしてBala Dee(木の音、の意)は選ばれ、約3週間の制作期間と、小学校での授業、コンサートを実施。その後フェスティバル等で演奏活動を続けています。
member
Moussa Hema (balafon)
Bachir Sanogo(kamale n’goni,voice)
Gaston Zirko (drums )
Yann Pittard (bariton guitar,oud,fx)
仲野麻紀(sax,metal-clarinet,voice)
1. Ce palot fou(狂わしいキス)
2. Sanjiye(喜びの雨)
3. Uta no niwa(歌の庭)
4. Les courses(かけっこ)
5. Mai kasireta(出発の前)
6. Deni ni kagni(美しい人)
7. Tairyo utaikomi(大漁唄い込み)
8. Onirik pentaphilia(夢のペンタフィリア)
曲解説
1. Ce palot fou/狂わしいキス
仲野麻紀の作曲。
out of placeのアナグラムをタイトルに。
曲の中間では、ムッサによるリズムのバリエーションを全員で演奏。
最後の子供たちの声は、仲野がブルキナファソで採録したもの。
2. Sanjiye/喜びの雨
Yann Pittard作曲。Bachir Sanogo作詞。
西アフリカにおいて、雨が降ることは農作物のめぐみに直結。
3. Uta no niwa/歌の庭
仲野麻紀の作詞、作曲。
文化人類学者レヴィ=ストロースの友人であり、氏の装丁にも使われたドイツの画家、
アニタ・アルビュスの絵本にでてくるタイトル「歌の庭」からのタイトル途中フランス語の歌詞は、2011年、震災、原発によって土地をなくした人々への追悼。
4. Les courses/かけっこ
エリック・サティの作曲。
彼の諧謔的な作風が表れている曲。
yann Pittardによるアレンジ。
スティーブ・ライヒを思わせるバラフォンの音に、実際の競馬の中継が重なり、テーマに突入する。
5. Mai kasireta/出発の前
moussa Hema作曲。
5拍子のなかでうごめくポリリズム。本作でのmoussaのソロが聞きどころ。
仲野、ピタールによるアレンジ。
6. Deni ni kagni/美しい人
Bachir Sanogo作曲。
男女関係なく、美しい人(人間)への賛美。
7. Tairyo utaikomi/大漁唄い込み
Folklore Miyagi (north Japan), arr. MN & YP
宮城の民謡。
今年起こった東北大震災への追悼。そしてアフリカ人達がコーラスで歌うことによる、連帯。
8. Onirik pentaphilia/夢のペンタフィリア
Gaston Zirko作曲。
途中ベルベルのフレーズリズムが出て来たりするが、基本的には3拍子の上で繰り広げられるポリリズム。