説明
『17才は、優しく旋律的で、時に過激で、空に浮かぶ雲のようにふわふわと動き始める』
あたらしいアルバム「17才」ができました。
2010年の暮れから、2011年初頭にかけて録音した物ですが、’11年3月11日の震災で制作が
全くストップしてしまい、半年ほど何もせずに過ぎてしまいました。
’11年の暮れから再び動き出して、ようやく完成。
時間的には、ずいぶんかかったアルバムという事になります。
パスカルズ17才の音たち、みなさんぜひ聴いてくださいね。
ロケット・マツ
1. てぶくろ:作曲 関島岳郎
2. かもめ:作曲 ロケット・マツ
3. Abi Divi:ラトビア伝承曲
4. 空:作曲 ロケット・マツ
5. 6月の雨の夜、チルチルミチルは:作詞・作曲 友部正人
6. マボロシ:作曲 坂本弘道
7. アリア:J.S.Bach作曲『マタイ受難曲』~「わが心よ,おのれを潔めよ」より 作詞 あかね
8. El Don Gavacho:作曲 金井太郎
9. 魔法:作曲 ロケット・マツ
10. 遠く:作曲 ロケット・マツ
<Pascals メンバー>
ロケット・マツ:メロディオン、マンドリン、ピアノ、トイピアノ、おもちゃ
あかね:トイピアノ、ピアニカ、ボーカル
金井太郎:ギター、エレキギター、コーラス
知久寿焼:ウクレレ、口琴、おもちゃ、ボーカル、コーラス
原さとし:バンジョー、コーラス
松井亜由美:バイオリン、木琴
クリスチイヌ:バイオリン
うつお:バイオリン、ビオラ、リコーダー、コーラス
大竹サラ:バイオリン、リコーダー、コーラス
三木黄太:チェロ、コーラス
坂本弘道:チェロ、エレクトロニクス、のこぎり、コーラス
永畑風人:トランペット、ソプラノサックス、ガスホース、コーラス
石川浩司:パーカッション、おもちゃ、ボーカル、コーラス
横澤龍太郎:ドラムス、パーカッション、コーラス
ゲストミュージシャン:
斎藤哲也:アコーディオン on 10
関島岳郎:リコーダー、チューバ on 6
ごく簡単な、17年間の『Pascalsの道のり』
1995年1月 ロケット・マツを中心に14人のメンバーで結成される。
’97年11月 1stアルバム『こりすちゃん・でお~る』発売。
’00年5月 東 陽一監督の映画「ボクの、おじさん」に音楽が起用される。
’01年2月 フランスの前衛音楽家パスカル・コムラード・プレゼンツによる、CD『Pascals ふらんすdeでお~る』がヨーロッパ、アメリカ、アジア各国で発売され、各音楽誌などで賞賛。
’01年11月 仏レンヌで開催されている「トランス・ミュージカルフェスティバル」に招聘され出演。その他、パリやナンシーでも公演。この年よりヨーロッパツアーが始まった。
’02年9月 2ndアルバム『パスカルズが行く』を発売。
’03年2月 仏盤2枚目となるCD『abiento』各国で発売。
11月 仏 Run Productions 制作による約3週間13ヶ所のフランスを中心とした欧州ツアー。
’05年3月 3rdアルバム『どですかでん』発売。
フランス、スペイン、ベルギ ーなど15ヶ所、16公演の欧州ツアー。
9月 2003年のフランスツアーの様子をまとめたDVD『Pascals La Tourne´e Grande Rose Du 7 au 22 Novembre 2003』を発売。
’06年3月 山下敦弘監督の映画「松ヶ根乱射事件」(第19回東京国際映画祭コンペティション部門 正式出品作品)の音楽を担当。
4月 フランスのレーベル Label Blue から仏盤『Dodesukaden』発売。
6月~8月 Run Productions 制作による40日間にわたるサマーフェティバル中心の欧州ツアー、20公演を敢行。フランス三大フェスのひとつ「ユーロケンヌ・ドゥ・ベルフォール」のコラボレーションライブ、パリ総合芸術祭の野外5ケ所の単独ライブ、ドイツのフェス、イギリスの音楽家・ピーター・ガブリエルが創設したワールドミュージックフェスティバル「WOMAD」などである。
’08年1月 初のライブアルバム『ハイセンス・シューズ』発売。
4月 ケラリーノ・サンドロヴィッチ台本・演出、原作・マクシム・ゴーリキー「どん底」(Bunkamuraシアターコクーンにて上演)の音楽を担当。
東京都世田谷美術館開催の「冒険王・横尾忠則展」のオープニングイベント、“パスカルズより冒険王へ” で演奏。
5月 フランスとスペインを廻る5度目となる欧州ツアー3週間12公演。スペイン・カセレスのフェスティバル「WOMAD 2008」などに出演。
’09年3月 4枚目のオリジナルアルバム『水曜日』を発売。
8月 「サマーソニック2009」、「ライジングサン・ロックフェスティバル2009 」に出演。
’10年3月 東陽一監督の『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』に楽曲を提供。
5月 「アラバキロックフェス.10」に出演。
7月 キッズステーションにて放映のTVアニメ「カルルとふしぎな塔」の主題歌、「解きかけのパズル」 (歌:南波志帆)に編曲と演奏で参加。
’11年6月 トクマルシューゴ主催の『TONOFON FESTIVAL 2011』に出演。
8月 大林宣彦監督作品『この空の花』に創入曲「花火」の演奏で出演。
’12月3月 『WOMADelaide 2012 オーストラリア』、『WOMAD2012ニュージーランド』に出演。
4月 『アラバキロックフェス.12』に出演。
9月 5枚目のオリジナルアルバム『17才』発売。
12月 ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出・脚本 シアターコクーン・オンレパートリー2012/2013『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹』(KERAバージョン)音楽担当
《パスカルズゆかりの方々にコメントを頂きました!ありがとうございます!》
大林宣彦(映画作家)
――福音だあ!
最初の一音が聴こえた時、そう叫んだ。
涙がぐしょぐしょ溢れ出し、飛切りの笑顔で、優しい気持に、では言い尽くせない、
――優しくなろうね、と自分に約束した。
そうだ、それだった。
今、僕たちに一番必要な、それは勇気!
有難う。僕は生きてゆきます。
パスカルズ、
17才。
傷付き易いよね。
――傷付き合って、許し合って、愛を覚えてゆくんだね。
ああ、福音だ。
お目出度うございます。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ナイロン100℃/ケラ&ザ・シンセサイザー
ズ)
(たぶん)もはや世界の宝であるパスカルズからの待望の新作。
大切に聴いて、いちいち引き出しにしまいたくなる。
あの沢山のメンバー全員で、あーでもないこーでもないやってる感じが、たまらなく好き。
久保田麻琴(プロデューサー)
ホドロフスキーの映画、EL TOPOをすぐに思い出した。映像が見えてしょうが
ない音楽。
サントラが先行する映画が世の中にあっていいんじゃないかな。
Philippe LEVY(フィリップ・レヴィ)
仏「RUN PRODUCTIONS」スタッフ、パスカルズの海外ツアーマネージャー
『パスカルズと同じ17才になった気分』
ミュージシャンのグループで17年間活動を続けるなんて、すごいじゃないか。
これだけの個性と感性の集まりが、ずっと一緒に演奏して来たって事は、めっ
たにないステキなことじゃないか!
アーティストやミュージシャンの活動の長さは、必ずしも創造力や新しい物を
作る発想力には結びつかない、とよくいわれる。
でも、このアルバムを聴くと、そんな話を忘れるくらい、ただ没頭してしまう。
過去のアルバムと同じように、僕たちはまた彼らの音楽に身をゆだねる。
耳慣れているようだが、時としてすごく風変わりな音で作られた、独特でどこ
か懐かしい音楽に・・・。
ライブでのパスカルズは、心地よさとやわらかな熱狂、ユーモアを感じさせる
が、それはこのアルバムでも同じだ。
ブラボー、パスカルズ!
バイオリン、チェロ、などの弦楽器から、ミュージックソー、カズーまで種々
雑多な楽器が音を奏で始める。
やさしく静かなムードから、ユーモア交じりのたたみかけるようなテンションへと移り変わって行く。
時に危なっかしく、時には巧みなソロ演奏。時にシンプルで、時には凝ったアレンジ。
パスカルズのポエティックでナイーブな世界に浸る。
そこにはユーモラスで繊細な天真爛漫さと喜びがあふれていて、僕たちはゆっくりと現実世界の束縛や建前から解き放たれる。
夢中になって、他のことを忘れてしまうくらい、パスカルズとなら何でもやってみたくなる。
全てを受け入れたい。人にやさしくありたいし、分かち合いたいと思う。
感受性が豊かになってきて、希望が見えてくる。
世界はこんなにも美しくなれるのだと。
すべてが可能に思えてきて、世界が穏やかで、清々しく、発見に満ちた、心地良いものとなる・・・。
パスカルズと同じ17才になった気分だ。 彼らと共に永遠の17才であり続けよう!!
(日本語訳 :村松 香里)