説明
関西を中心として活動する即興演奏家。数えられない程の楽器や物を駆使し、誰も成し得ない音楽世界を創り上げる。
楽しくも過激な演奏の記録。
「キリーク」とは千手観音を意味する梵語で、パーカッショニストだからと言ってボンゴではない。
木村文彦がそのカタカナ読みを自らタイトルとした。確かに木村氏の演奏は両手両足をフルに使い、ホイッスルを吹きながら肘や膝まで使ったりするのだからそのイメージは正に千手観音である。
向井知恵氏のワークショップperspective emotionを通じて木村は‘沈黙のバトル’とも言うべき即興者同士の対峙の作法を獲得してゆく。
アルバムのラストに収録した向井氏とのデュオ「new sights」はそんな二人の幽玄の調べとも言うべき緊張と弛緩の相対が展開される即興で30分に及んだ演奏を12分に編集した。
もう一人の共演者、磯端伸一も元来、そのボリュームを絞ることによる響きを個性とする即興ギタリストだが、今回の木村氏とのデュオでは、ラウドでノイジーな側面も遺憾なく発揮してくれた。
磯端氏はかつて故高柳昌行に師事していた。静的な場面が際立つ事で個性を発揮しているとも言えよう。
大友良英氏とのデュオのライブアルバム『Guitar Duo×Solo』(09)を聴くと、その微音の響きが大友氏とのコントラストを生んでいる。
元々、ドラマーである彼が当面の間、ソロパーカッションに取り組むというその宣言とも言える作品である。
曲名
1. Track 1 2:07
2. Track 2 4:27
3. The middle line 5:45
4. Track 4 3:27
5. The land of ‘YOMI’ 5:07
6. Track 6 4:02
7. Track 7 1:19
8. 奔馬 2:05
9. Track 9 2:21
10. To white 5:53
11. Track 11 3:27
12. New sights 12:01
All tracks improvised by 木村文彦Kimura Fumihiko
Duo improvisation with 磯端伸一Isohata Shin’ichi(3,10 ) guitar
向井千惠 Mukai Chie(12) 胡弓、voice
Additional played by 山口ミチオYamaguchi Michio on synthesizer(5)
宮本 隆 Miyamoto Takashi on electric bass(8)
Recorded and Mastered by大輪勝則Owa Katsunori at studio You
produced by Miyamoto Takashi
木村文彦 プロフィール
1960年生高校時代よりドラムを始め、大学時代に故河瀬勝彦氏に師事。
1993年 つのだ☆ひろ氏に師事。
1995年 内橋和久氏主宰のnew music actionに参加し即興演奏に出会う。
2009年 神戸ビッグアップル20周年記念2daysを主催する。
2010年 向井千惠氏のワークショップに参加。
使用楽器
・タムタム・ミニスネアドラム・シンバル類・大太鼓・玩具太鼓・鉄琴・ゴミ箱・スリットドラム・スプリングドラム・タブラッカ・サンバホイッスル・ポリバケツ・フライパン・ホーロー鍋・スチールパン・電気ストーブ・声・身体、 その他。