説明
フランスにおける最良のトラッド・ヴァイオリン奏者のひとりとして評価され、フランスのトラッド音楽の革新者(カフェ・シャルボン、コンパニー・シェ・ブースカ、トリオ・ヴィオロンなどのグループの創始者)としても知られるジャン=フランソワ・ヴロは、伝統と創造、即興と作曲、音楽劇と口述文学などを混ぜ合わせながら、数多くの舞台演奏を経験している。彼と共に仕事をした人たちに、ドミニク・ピファレリ、ジャン=ポール・グード、アラン・サヴーレ、ラ・コンパニー・デュ・セルクルのベルナール・シェーズとアビ・パトリックス、ジャン=ジャック・ビルジェ等がいる。19世紀末、フランスの様々な地方においてヴァイオリンは民間伝承の音楽における特権的な楽器となり、その3世紀前にダンス音楽の世界でその生命を始めた楽器は再び同じ場所に戻ることになったのである。私はこの録音において、伝統音楽のヴァイオリン奏者のソロ演奏という原初の姿を再現したいがために、伝統的な独奏表現に固有な装飾音や旋律のヴァリエーションを特に強調したのである。ここに収められた伝統的楽曲のほとんどは、フランス中央山塊地方のヴァイオリン奏者と歌手たちの豊富なレパートリーから選曲されている。私はそのうちの何曲かは採譜されたそのままの状態を保たせ、他方の何曲かは何年かの演奏経験で自分なりに手を加えたヴァージョンを採用した。そのいずれの場合でも、私はごくシンプルな作りとすることを心掛けた。また、そのうちのいくつかの曲はその味わいをよく出すために、オリジナルのダンス曲のテンポよりもわざと遅くさせている。自作曲はすべて伝統的楽曲にインスパイアされたものである。
1. セディエールに吹く大風
2. エンピツのマズルカ
3. ピエールがカブレットを弾く時/ポンスとペリエのブーレ
4. オーディベールのマズルカ/それはどこに
5. ビュシエールとプラン/ラ・トリニタの鐘
6. カルナヴァルのブーレ
7. 庭師の少年(民謡)/感傷的ワルツ
8. 私の親愛なる魂よ、目覚めなさい/山の少年たち
9. オージェール・バスのマズルカ(民謡)/ラ・クールナデル
10. 午後の終わり
11. プラチェット・ポルカ
12. ファイ・ボン・ダンサール
13. リクロ爺のワルツ
14. リベロルのブーレ
15. チュ・ロ・リ・テンドラス/リムーザンのワルツ
16. ラ・クロード、ペシャドルのブーレ
17. さらば、君は出発する/ブーレ・ロング、ボグ・ドール
18. レ・カトル・ヴィレ
19. ヴィエンヌのワルツ/ピタコ
20. ツウィン・コーダ