説明
「彼女はたしかにいる」。
こんな気分になる瞬間があっただろうか。
自分と別に一人の存在を感じること、 そんな「リアリティー」としか言えない「声」を彼女の歌は持っている。
聴き手は彼女しかない記憶や感情を体感する。
強さと儚さ、喜びと悲しみが同時にある、記号化されていない「存在」に触れるのである。
歌を聴くことは、まず第一に「声」、そして「存在」に触れること。
そのことに気付かせてくれる、このアルバムは、だから圧倒的に新しい。
その声で歌われる曲はどれもストレンジ、それでいてポップ。 それはラグタイム・ギターのリズムとベースの音片が混在から、 歌/ベースが共に猫声が飛び出す、一曲目「深夜の猫」を聴くだけで分かる。 誰もが心を洗われる愛と波の子守唄である最終曲「百億回の愛」を始め、 「別の肉になるまで」「岸辺のうた」というライブで人気のバラードもある。
また,新たな歌詞の表現を目指し、詩人としても活動している評論家・阿部嘉昭と歌詞作りでコラボレーション。 曲の中で歌詞を聴いたときのイメージの衝撃が目眩をもたらす。 京都を中心に活動し、多くのミュージシャンから支持を集める「ふちがみとふなと」の 船戸博史がプロデュース(長谷川健一のプロデュースでも好評を博した)。
シャンソン・メロディーをベースのみで支えた「自殺のシャンソン」を始め、 彼は演奏でも秀逸なベースで全面的に参加。 その他、「俺はこんなもんじゃない」のあだち麗三郎が空間的なインプロゼーション・ドラム、 無数のライブをこなす吉田悠樹がニ胡で参加し、 「平行四辺形」等の音響的なアプローチを持つ曲を作り上げた。 しかし、音は小編成のシンプルな響きをもっていて、 その彼女の声の本質をみごとに捉えている。 「良い歌と声があればいい」、それがアルバム作りのコンセプトであった。 ここ数年のライブ活動から生まれていった曲達。 彼女が歌を手に入れるドキュメント。 これは彼女のみならず、日本のシンガーソングライターの新たな出発点ではないか。
1. 深夜の猫
2. CRAZY TUNE
3. 母親を取り返しに
4. 月が赤く満ちる時
5. 女子高生ブルース
6. 孤りの炎
7. しあわせなおんなのこ
8. もうじきあんたは1人で立てるはずだ
9. 自殺のシャンソン
10. 有為転変ブルース
11. ジプシーのとき
12. 平行四辺形
13. ダラスについて
14. 別の肉になるまで
15. 岸辺のうた
16. 昔みたいに
17. 百億回の愛
https://hoshiinusha.com/
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