説明
インドの吟遊詩人とされるバウル。
今、世界で最も有名なバウルの一人がパルバティ・バウルだ。
2018年6月に来日したパルバティが、郡上の安養寺で行ったライブをCD化したのがこの『Poroshpor』。
『Poroshpor(ポロシュポル)』とは、ベンガル語で「お互いに」を意味し、パルバティと共演したのが世界的なパーカッショニスト土取利行だ。
土取利行のパートナーであった故・桃山晴衣氏が節付けした12世紀の今様『梁塵秘抄』を土取氏が歌い、パルバティ・バウルが8世紀から12世紀に編纂された仏教歌『チャリャー・ギーティ』の世界を歌うという類稀な機会をCDに収めている。
二人の息の合った演奏と両者の独特の世界観が、見事に調和した一枚。
■曲目
1. Oi chorine (ラロン・ファキール)
2. Shuna Sampuruna (kanhopad from Charya Geeti)
3. Bondhu (My beloved)
4. Karasu wa miruyoni (From ryojin Hisho 「梁塵秘抄より」)
5. Nilo go nilo (Unknown)
6. Waga ko wa to amarini (From ryojin Hisho 「梁塵秘抄より」)
Balayogi Sarahapad(From Charya Geeti)
7. Radhe Radhe Radhe Gobindo Radhe
Gobinde Radhe Gopal Radhe
*録音日、録音場所 2018年6月5日、郡上八幡安養寺
バウルとは:
インドの西ベンガル州及びバングラデシュ(ベンガル地方)の放浪の吟遊詩人、とも呼ばれる、遊行の行者。独特の哲学を反映した詩を歌い、舞い踊る。その精神的な祖先は、8世紀の仏教遊行僧の詩集、「チャリャー・ギーティ[遊行者の歌]」にも認められ、仏教やイスラム神秘主義、ヒンドゥーなど、様々な伝統の影響を受けながら、どの宗派宗教にも属さず、師弟相伝で受け継がれて来たといわれる。アジア初のノーベル文学賞受賞者であるタゴールの詩に影響を与え、彼によって世界に紹介された。2005年にはUNESCO無形文化遺産に登録。
【パルバティ・バウル Parvathy Baul】
現在、世界的に最も知られているバウルの一人であり、同時に卓越した演奏者、ストーリーテラー、そして画家でもある。
一弦琴エクタラを右手で弾き、左手は腰に結わい付けた小鼓ドゥギを叩き、足首の鈴飾りヌプルでステップを取りながら舞い歌う、古いオーソドックスなスタイルを特徴とし、その歌声の妙技・深みある演技は、世界中の音楽家や、音楽愛好者に賞賛されている。
近年最も尊敬されていたバウルの長老、故ショナトン・ダス・バウルと故ショシャンコ・ゴシャイの許で、数少ない弟子の一人として厳しい修行をくぐり抜け、バウルの音楽と精神の次世代への継承を託された。