説明
フリージャズ界の新星として注目を集めていた近藤等則と土取利行の二人による1973年当時の貴重なライブの模様が初音源化!
近藤等則、土取利行の1973年新宿ピットイン・ティー・ルームでのライブ演奏。1970年から京都で演奏活動を共にしていた二人は、72年に上京してフリージャズ界の新星として注目を浴びる。この録音は奇跡的に残っていたカセットテープからのもので、当時阿部薫、高木元輝、沖至るなどの演奏会場ともなっていた新宿のピットイン・ティールームでの演奏。この演奏の後、国立音大生だったサックスの梅津和時、沖至と演奏していたベースの徳弘崇が加わりカルテットで演奏することもあったが、1975年には間章の邂逅で近藤、土取、高木の三人によるEEUが結成される。しかし、土取はこのファーストコンサート後、ニューヨークへと旅立ち、近藤もその三年後にニューヨークへと旅立つ。1980年までは間章のプロデユースにより土取が知己を得たミルフォード・グレイヴスとのコンサートや間章招聘のデレク・ベイリーの日本でのコンサートに参加するも、その後、近藤と土取の音楽はそれぞれ独自の方向へと向かっていく。このCDは二人の音楽の原点ともいえる最も熱き時代のエネルギッシュなフリージャズへのオマージュでもある。
■演奏
近藤等則(トランペット)
土取利行(ドラム)
■収録曲
1. インプロヴィゼーション 1 13:13
2. インプロヴィゼーション 2 20:29
3. インプロヴィゼーション 3 13:58
【近藤等則】
1948年12月15日生まれ、愛媛県今治市出身のジャズ・トランぺッター/プロデューサー。78年からは米・ニューヨークでジョン・ゾーンやビル・ラズウェルらと活動。帰国後の82年に東京でIMAレーベルを設立し、84年に結成した近藤等則&IMAで人気を博す。93年には蘭・アムステルダムへ拠点を移し、「地球を吹く」プロジェクトに取り組む。2012年から再び拠点を日本に移し、広島・厳島神社で世界平和をテーマにした音楽祭や、奈良・東大寺で震災犠牲者を追悼するなど多彩な演奏活動を展開。2020年10月17日に死去。71歳没。
オフィシャルHP:https://www.toshinorikondo.com/
【土取利行】
1950年、香川県生まれ。1970年代から、ミルフォード・グレイブス、スティーブ・レイシー、デレク・ベイリーといったフリージャズの演奏家たちと共演を重ねる。1976年、ピーター・ブルックの劇団との仕事をはじめ、以降、『Ubu』『鳥の会議』『マハーバーラタ』『テンペスト』『ハムレットの悲劇』『驚愕の谷』などの音楽を手掛ける。世界中で民族音楽を学び、1980年代に桃山晴衣と岐阜の郡上八幡に拠点「立光学舎」を創立、日本の伝統文化再生にも取り組む。10年以上に渡り、日本音楽の古層を調査し、その成果を『銅鐸』『磬石(サヌカイト)』『縄文鼓』などのCDアルバムとしてリリース。最近では、フランスの洞窟壁画の音楽調査と演奏を行っている他、近代の流行歌の元祖、添田唖蝉坊演歌の研究・継承者としても活躍。