潮先郁男・さがゆき・加藤崇之
I wish You Love

¥2,750 (税込)

在庫あり

商品コード: B-47/48F カテゴリー: タグ: ,

説明

スウィング・ジャズでバラードのみのスタンダード集アルバムが完成しました。

潮先さんが弾くギター・カッティングに関しては、日本では右に出るものなし。

手にするギブソンES-175 のフルアコは、50年間弾きこまれた現役のビンテージ。

いっけん、只の地味なジャズアルバムのように聞こえますが、加藤崇之との師弟関係が生み出す、考えられないほどのギターテクニックを駆使し淡々と進行していきます。

潮先と加藤にしかできない技が披露されて演奏がなされています。

 さがの歌は、渋谷毅・潮先郁男とのコンビでのアルバム『We’ll Meet Again』(Carcoレコード)と同じく、ここでも安定していて聴くものを和ませてくれます。

1. Dream A Little Dream of Me (Fabian Andere, Schwandt Wilbur,Gus Kahn)

2. It’s Easy to Remenber (Richard Rogers, Lorenz Hart)

3. When lights Are Low (Benny Carter, Spencer Williams)

4. I Wish You Love (Charles Trent, L姉 Chauliac)

5. Somewhere Along the Way (Kurt Adams, Sammy Gallop)

6. Mona Lisa (Jay Livingston, Rayhmond Evans)

7. Boy Next Door (Ralph Blane, Hugh Martin)

8. Moonlight Becomes You (Jimmy Van Heusen, Johnny Burke)

9. Guilty (Harry Akst, Richard A Whiting, Gus Kahn)

10. Maybe You’ll Be There (Rube Bloom, Sammy Gallop)

11. Crazy He Calls Me (Carl Sigman, Bob Russel)

12. Go Away Little Boy (Gerald Goffin, Carole King)

13. In The Wee Small Hours Of The Morning(Dave Mann, Bob Hillird)

初回限定ボーナスディスク

1. What Am I Here For (Duke Ellington)

2. After You’ve Gone (Henry Creamer, Layton Turner)

3. Too Late Now (Burton Lane, Alan Jay Lerner)

ミュージシャン名:

潮先郁男:Shiosaki Ikuo Guitar 右 Gibson ES-175

さがゆき:Saga Yuki Vocal

加藤崇之:Kato Takayuki Guitar 左 Gibson 175-D

ライナー/吉田光利

2010年5月、加藤崇之がライブ会場で手売りをするため「SHOOMY BAND」と「NEW 渦」のCDを受け取りにウチにやって来た。

 そのとき、今はCDが全く売れないねなどとたわいのない話をしていたのだが、加藤がポツリと、ギター2本と歌のみのスウィング・ジャズのスタンダード集のレコーディングをしたのだが、リリースするレーベルがまだ決まっていないと話した。

 地底レコードでは、ちょうどポルトガル在住のサックス奏者でフリーインプロバイザー、古谷暢康の壮絶でダイナミックなアルバム「Stunde Null」(B45F)をリリースした直後であった。。
 

あまりに壮絶で妥協を許さないガチガチのフリージャズであったため、その加藤の話が心に残った。私としては、フリージャズばかりを聞いていた頭をスタンダードで中和できるかなと考えただけなのだが、『Guilty』と『My Romance』(アルバム未収録)の2曲入りのCD-Rを残して加藤は帰った。

 この2曲入りCD-Rが素晴らしかった。心を打たれた。

普段はスタンダードを弾かせても一流だが即興演奏にその才能を惜しげなく発揮する、加藤の演奏に。
 

さがゆきについては中村八大氏の楽曲を歌う『see you in a dream』と、加藤と即興演奏のパフォーマンスを披露する「シナプス」の音源を聞いたのみ。

 数年前、パリ日本文化会館でのイベント、副島輝人氏主宰のジャズ・イン・ジャパンで、渋谷毅氏らとのグループでの歌を聴き、初めて知り合った程度でしかなかったが、ここでは淡々とまた朗々と歌われているのに感動を憶えた。

 潮先郁男さんに関しては何の知識もなかったのだが、2010年4月に芸歴60周年のライブを新宿・ピットインで行なった方だと聞いた。60年って?凄いじゃない。

 そこで加藤にウチで良ければCDにしましょうと話すと、いくつもの面白い
話を聞かせてくれた。

 普段、インプロビゼーションで一緒に演っているさがと加藤が、潮先さんとこうして一緒に演奏したら誰よりも息がぴったり合った、という面白さ。

 両極にある、全く違う音楽の道を歩んで来た二人のギタリストが、互いを非常にリスペクトし合っている、という素晴らしさ。お互いの中に自分にないものを見出し、敬愛し合っているという素晴らしさ。

 一見すると、1920〜30年代の古いスタンダードを淡々と演っているように見えるが、その根底にはインプロ魂が燃え盛っているのであり、決して古い曲を懐メロのように歌い、演奏しているのではない、ということ。
 

録音は、ほとんどがリハなしのぶっつけ本番。だからこそライブレコーディングを選らび、何が起きようと怯むことなく、何に媚びる事も無く、その時三者がイーブンな関係でいてその場で生まれた「一期一会の音」を大切にしているのが、このCDの命である。などと言う話を知ることに。

 なんだ、普段の地底レコードでやってることと変わらないじゃないかと。

 のちに知ったことだが、潮先さんは、私と同郷の大先輩であることにも奇遇な縁を感じた。平岡精二クインテット、中村八大クインテット、松本英彦カルテットを経てフリーになり、北村英治、八城一夫、藤家虹二、世良譲、増田一郎、各氏達との共演。これはそれこそ、ほとんどが日本のジャズのメインストリームを歩んだ歴史じゃないですか。ほんとうに尊敬します。

 そして潮先さんの盟友で、スタンダード曲に精通する森山浩志さんにライナーノートをお願いすることができました。誰も知らないような曲が身近に感じられるようになり、明かりが灯った気分です。感謝しています。

 当初、2曲目の「After You’ve Gone」は、リズムが躍動する楽しい曲で、アルバムに入る予定でした。バラードばかりの本編の中では活気に溢れた1曲となる予定でした。ただ最後の箇所、真空管アンプを使用していたギターの音に歪みがあり泣く泣く本編から外しました。あまりに残念という理由で、このボーナスCD盤を急遽作成することになりました。

 1曲目はさががボイスのみでエリントンに挑んでいます。そこが本編とは違う魅力を聴かせてくれます。最後の1曲は珠玉のバラードをお届けします。

プロフィール

潮先郁男

 昭和8年1月 大阪府豊中市生まれ

 17歳の頃から、大阪、十三、神戸、京都などのキャバレーでギタリストとして働らく、平岡精二氏の誘いにより20代半ばで、昭和36年に上京し、平岡精二クインテットに参加する。その間、NHKや小川宏ショーなどのテレビ生放送の歌番組に多数出演。

その後、中村八大クインテット、松本英彦カルテットを経てフリーになり、中村八大、北村英治、八城一夫、藤家虹二、世良譲、増田一郎、各氏らと、数多くのレコーディングを行なう。そのかたわら、ヤマハ・ネム音楽院、松本英彦ラブリージャズスクールの講師を勤め、現在は世田谷の自宅で自身のジャズギター教室を主宰している。

 78歳にして芸歴60周年を誇る、現役のジャズ・ギタリストです。

さがゆき

 天空を自在に舞う声〜現代の巫女、さがゆき。東京出身。5才にして歌手になることを決意。言葉を伴う「うた」を歌う歌手であると同時に、言葉の伴わない「声」を楽器とした「完全即興」を歌う稀有な存在でもある。

 フランス「Jazz in Japan」、オランダ「メシアン記念音楽祭」、「Nederland Jazz Festival」、韓国「アートフェスティバル」、等に出演するなど海外での活動も多い。’09年、高橋悠治作曲「眼の夢」の初演を行う等、様々な現代アートにも自在に出入りし、その鋭い触角で自己の能力を増幅しつづけている。

04年『SYNAPSE』(TBM)

04年『Day Dream』(ARUMA)

05年『It’s so peaceful』(Maple)

05年 中村八大楽曲集『See you in Dream』(FMN)

06年 Kokopelli 『Spirit of the Forest』(CSNT)

08年渋谷毅、潮先郁男、「We’ll meet again」(CARCO)

加藤崇之

1955年1月31日生。兄が聴いていたジャズに興味を持ちギターを始める。大学在学中、19才でプロ入り。

米軍キャンプでのディスコバンド、ブラジル人とのサンババンドの経験など幅広い活動等を経、28才の頃より自己のリーダーとしての活動を開始。

1989年、『ギターミュージック』是安則克(b),藤井信雄(ds),金井英人(b)(TBM)

1991年、『渦』金井英人(b)、馬場たかもち(ds,per)(アケタズ・ディスク)

1992年『夢』 宅”Shoomy”朱美 (アケタズ・ディスク)

1999年、『NEW渦 Alchemist』宅朱美(p) 山崎比呂志(ds,per)、金井英人(b)(地底レコード)

2004年、『SYNAPSE』さがゆき(TBM)

2001年、『ギタースタンダード』井野信義(b) 山崎比呂志(ds) 是安則克(b)小山彰太(ds)(TBMレコード)

2008年、『レクイエム』SHOOMY BAND (地底レコード)

2009年、『SOLO』(きたからレコード)

2010年、『夢2』宅”Soomy”朱美(きたからレコード)

『マラム・サヤ』榎本秀一4(アケタズ・ディスク)、『SOMETHING DIFFERENCE』 『BE COOL』 『渋さ道』『渋祭』『渋龍』『渋旗』『渋星』渋さ知らズ(地底レコード)、『CO2』(オーマガトキ)等のアルバムにも参加している。 

Jazz、フリーインプロビゼーション、ブラジル音楽などを、現在の演奏ジャンルとしている。

レーベル

地底レコード